長らくマイナス金利が続いてきた日本も、
インフレの影響を受け、利上げが現実のもの になりつつあります。
先週も日銀による利上げが決定し、
各種金利はじわじわと上昇。
預金者としては、
「ようやく金利が付く時代が戻ってきた」と感じる一方で、
住宅ローンを借りている 債務者側 にとっては、
なかなか悩ましい局面です。
変動金利組にとっての現実
特に、私も含め
変動金利で住宅ローンを組んでいる人 にとっては、
マイナス金利解除以降、すでに3回の利上げ。
マイナス金利時代の適用金利と比べると、
今回の利上げで ほぼ倍近い水準 になっている計算です。
ただし、日本の変動型住宅ローンには、
- 5年間は返済額が変わらない
- 利上げがあっても返済額の内訳が変わる
という仕組みがあります。
元金が減らないという違和感
金利が上がると、
- 返済額は同じ
- その中で 利息の割合が増える
- 結果として 元金がなかなか減らない
という現象が起こります。
数字上は返済しているのに、
「思ったより残債が減っていない」という感覚。
この違和感は、
変動金利を選んでいる人ほど感じやすいと思います。
繰上返済は“安心を買う行為”でもある
こうなってくると、
日頃からコツコツ貯金してきた人にとっては、
繰上返済=金利上昇へのヘッジ
という考え方も、十分に理解できます。
ただ一方で、
- 住宅ローン金利
- 市場での期待運用利回り
を冷静に比べると、
まだ運用利回りの方が上回る水準 でもあります。
そのため、金融リテラシーの高い方ほど、
「今すぐ何かをするべき局面ではない」
と考える人も多いのではないでしょうか。
家庭ごとの最適解は違う
住宅ローンには、
- 団信特約
- 就業不能保障
- 疾病保障
など、保険としての側面もあります。
そのため、
- 家族構成
- 資産状況
- 収入の安定性
- 心理的な安心感
これらを総合的に見て、
各家庭ごとに判断する必要があります。
AIを“壁打ち相手”にするという選択
今の時代、
ChatGPTのようなAIを 壁打ち相手 にして、
冷静に整理するのも一つの手だと感じています。
ちなみに、私が相談した際に提示されたのが、
以下の考え方でした。
🔹 一部繰上返済(特にボーナス部分)で耐性を高める
🔹 残りの資金は運用に回し、資産成長を止めない
🔹 金利 2%超 を「次の判断ライン」に設定
すべてを鵜呑みにする必要はありませんが、
考えを整理する材料としては十分でした。
金利のある世界を生きるということ
金利というのは、
この資本主義社会を生きる上で、
あらゆるところに影響を及ぼします。
だからこそ、
- 過剰に不安にならず
- でも無関心にもならず
- 状況に応じて動ける余白を持つ
これが、
金利のある世界での大切な姿勢 なのかもしれません。
