――それぞれの正義が交錯する場所
試験がひと段落し、ようやく時間が取れたので
映画『鬼滅の刃 無限城編』を観てきました。
このブログではネタバレは控えますが、まだ観ていない方にはぜひ、
映画館の大スクリーンで味わってほしい作品です。
相変わらずの映像美。
戦いの迫力、キャラクターの表情、背景の隅々に至るまで
一コマ一コマに魂が宿っている。
「これはもはや芸術だ」と、今回も唸らされました。
ただ、物語の重心が「善と悪」の単純な構図にとどまらないのが、
鬼滅という作品の奥深さ。
観ている最中、そして観終えたあと、
こんな言葉が頭をよぎりました。
「人の数だけ、正義がある。」
鬼たちも、かつては人間。
何かを守ろうとした者もいれば、喪失から逃れたかった者もいる。
鬼になった理由も、それぞれの信念も、まったく異なる。
それでも彼らには彼らなりの“想い”がある。
一方で、鬼殺隊という組織もまた、
強烈な信念と理念を共有する集団。
ひとりでは到底立ち向かえない敵にも、
“繋がり”があるからこそ立ち向かえる強さがある。
バラバラのようでいて、理想で繋がった集団は、やはり強い。
エンタメとしての面白さはもちろんのこと、
組織とは何か、正義とは何か――
そんな問いを投げかけられた気がしました。