旅行から帰ってきて、午後に少しだけ時間ができたので、
空き家の修繕作業へ向かいました。
先週解体した木材の 釘抜き と、1階への運び出し。
言葉にするとシンプルですが、
合板を何層にも重ねて作られたテーブルは想像以上に重く、
そして、これでもかというほど打ち込まれた釘の量。
一本一本抜いては、体の芯から力が抜けるような感覚。
「あと少し…」と思ってからが長いのが、こういう地道な作業の常です。
階段を降りるときは、正直、心が折れそうにもなりました。
でも、不思議と止まることはありませんでした。
手はゆっくりでも、前には進んでいました。
昨日訪れた「石川雲蝶」。
何年も何十年も、ただ彫り続けるという生き方。
その“時間をかける覚悟” に触れたからかもしれません。
焦らなくていい。
でも、止まらないこと。
空き家も、田んぼも、そして人生も。
すぐ完成しなくていいから、
一日一手でいいから前に進めばいい。
そうやって積み上がった先に、きっと「作品」と呼べる何かが残るはず。
空き家は、ただの建物ではなく、
これから自分が息吹を吹き込んでいく 自分自身の作品 なんだと思います。
今日の2時間は、ただの作業じゃなくて、
その作品の 一手目を刻んだ時間 でした。
