最近、ひとつの本に
自分の考え方は、いかに“一方的”だったか
と思い知らされる出来事がありました。
オーディブルで聞いた
「日本人の死に時 そんなに長生きしたいですか」
という本です。
「元気に長生きしたい」──そのイメージは幻想だった
この本に出会うまでの僕は、
人生後半戦の目標として
“元気に長生きする”ことを当たり前のように掲げていました。
でも、終末期医療の現場に立つ著者の話を聞いているうちに、
そのイメージがどれだけ浅く、どれだけ都合がよかったかに気づかされました。
老いは現役時代の延長線上にはありません。
- 当たり前にできていたことができなくなる
- 体のあちこちが不調を訴える
- ガンのリスク
- 認知症の可能性
メディアが映す「元気な長寿」は、ほんの一部の物語でしかない。
老いの現実は、もっと厳しく、もっと複雑で、もっと“人それぞれ”だということ。
両親の介護を思うと、他人事ではない
僕の両親も少しずつ高齢になり、
これから介護を考えていく段階に入っています。
だからこそ、
「長生き=善」
という単純な構図では語れないのだと、
胸の奥に重く刺さりました。
この本は、軽く“長生きしたい”と言っていた
自分の頭をガツンと殴るような感覚を与えてくれました。
長く生きることは、本当に幸せなのか?
人には、それぞれ寿命があります。
長生きが“正解”かどうかは、
そもそも他人が決められるものではないし、
短い人生が“不幸”だと断じることもできません。
たとえ長生きしたとしても——
生きているのか、生かされているのか。
その境界線は簡単には引けません。
「それはその人にとって幸せなのか?」
という問いは、とても深いものだと感じました。
結論はまだ出ていない。でも、ひとつ確信したことがある
読んだ今でも、明確な答えは出ていません。
ただ、ひとつだけハッキリ言えることがあります。
“とりあえず長生きを目指す”のではなく、
自分が描いた人生を、精一杯生き切ること。
これだけは、揺るがない軸になった気がします。
この本は、
“どう生き、どう終わるか”
という人生の本質を静かに問い直してくれる一冊でした。
