読んだことを忘れないために

静かな暮らし

読んだことを忘れてしまう僕が、思い出す練習を始めてみる

本を読んでいる時間は、わりと好きだ。

そのときは、「なるほど」と思う。

大事そうなところに線を引いたり、ページの端を折ったりもする。

ただ、ずっと悩んでいることがある。

読んだものを、少し経つとすぐに忘れてしまうことだ。

分かったようで、分かっていない

せっかく読んだのに、結局は分かったような、分かっていないような。

そんな曖昧な感じで終わってしまう。

読んでいる最中は、たしかに理解したつもりになっている。

ところが、数日後に誰かに説明しようとすると、うまく言葉が出てこない。

「あの本、何が書いてあったんだっけ」

そう考えているうちに、印象に残った数行だけがぼんやり浮かび、あとは消えてしまう。

ここ何年か、読書をするたびに、少しもったいない気持ちが残っていた。

本を閉じたあとに、思い出してみる

最近、YouTubeの動画や本のなかで、似たような方法を目にした。

本を読み終えたあとに、各章で大事だったことを、何も見ずに頭の中で思い出してみる。

たったそれだけのことなのだけれど、やってみると意外と難しい。

「あの章は何の話だったっけ」

「たしか、こんなことが書いてあったような」

本を読んでいるときには分かったつもりだったのに、いざ思い出そうとすると、

なかなか言葉が出てこない。

読み返せば、答えはすぐに見つかる。

でも、すぐには本を開かず、自分の頭の中を探してみる。

思い出すという作業は、脳に汗をかかせるようなものらしい。

その少し面倒な時間に、意味があるようだ。

一日を、逆からたどってみる

寝る前に、その日の出来事を逆再生するように振り返る方法もあるという。

夜から朝へ向かって、今日あったことを順番に思い出してみる。

夕食を食べたこと。

仕事を終えたこと。

昼に誰かと話したこと。

朝、家を出たこと。

普段の一日は、朝から夜へ一直線に進んでいく。

次の予定。

次の仕事。

次にやること。

前ばかりを見ているうちに、

何を考えていたのかも曖昧なまま、

一日が終わってしまうことがある。

立ち止まる時間をつくる

人生は、前に進むものだと考えがちだ。

立ち止まるより、次へ進む。

振り返るより、新しいことを始める。

会社員として毎日を過ごしていると、なおさらそうなりやすい。

けれど、

一度立ち止まり、来た道を振り返ってみる。

それだけで、漫然と一日が過ぎていく感じが、少し変わるのかもしれない。

読書も同じなのだと思う。

次のページへ進むだけではなく、一度本を閉じて、今読んだことを思い出してみる。

前へ進むことと、振り返ること。

どちらか一方ではなく、そのあいだを行ったり来たりする時間が必要なのかもしれない。

まずは、本を閉じたあとに

とはいえ、

毎晩きちんと一日を振り返り、本を読むたびに各章を思い出せるかというと、

あまり自信はない。

布団に入れば、そのまま寝てしまう日もありそうだ。

本を閉じた瞬間に、スマートフォンを手に取ってしまうこともあると思う。

それでも最近、少し試してみたくなっている。

まずは次に本を閉じたとき、すぐ別のことを始めずに、

「何が書いてあったっけ」

と考えてみる。

思い出せなかったとしても、

たぶん、そこからが練習なのだと思う。

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