今日も、毎週のルーティーンになっている棚田へ行ってきました。
僕が担当している奥田は、どうも水が抜けやすい。
水を張っても、ほぼ1週間後にはかなり減っています。
来年は何か対策が必要そうなので、
このあたりはお師匠さんともよく相談したいと思っています。
そんなわけで最近は、「水を切らさないように見に行く」というより、
ほぼ毎週、水を入れに通っているような状態です。
今日も案の定、奥田の水は枯れていました。
まあ、いつものことです。
水路をたどって、水源まで
いつものように水路から水を引っ張ってこようとしたのですが、
そこで少し様子がおかしいことに気づきました。
水路に、ほとんど水が流れていない。
「どういうこと?」
一瞬そう思って、上の水路へ駆け上がりました。
ところが、奥田の近くだけの問題ではありませんでした。
さらに上流を見ても、棚田へ続く水路そのものに水が来ていません。
そこで思い出しました。
昨日、このあたり一帯には土砂災害警報が出ていました。
もしかすると、水源のほうで水路が詰まっているのかもしれない。
奥田の水を確保するためにも、
棚田全体の水を確保するためにも、
原因を見に行くしかありません。
朝から一人、水源へ向かいました。
手で土砂をかき出しながら
水路をたどっていくと、やはり所々で土砂が崩れていました。
その土砂や石が水路へ流れ込み、水の流れを塞いでいます。
こういう日に限って、スコップを持ってきていません。
仕方がないので、手で石や土砂を拾っては外へ出す。
それを何度も繰り返しました。
ただ、
さらにたどっていくと、根本の原因はもっと上、水源にありました。
川は昨日の雨で濁流になったようで、川から水路へ水を分ける入口が、
石や土砂、流木で塞がっていました。
ここでも手で土砂をかき出し、石をどけます。
周りは、かなり「リアルもののけ姫」な状態です。
しかも熊が出てきてもおかしくない場所なので、
一人で作業していると、やっぱりちょっと怖い。
時々、大きめの声を出したり、あえて物音を立てたりしながら、
周囲を気にしつつ、石をどけ、土砂をかき出す。
しばらくすると、少しずつ水が水路へ流れ始めました。
なんとか、水流を確保できました。
そこから水路を伝って、無事に奥田まで水が届きました。
4年目にして、少しだけ分かってきたこと
棚田で米作りを始めて4年目。
最初の頃だったら、「水が来ていない」というところで、
どうしたものかと立ち尽くしていたかもしれません。
今は、水が来ないなら上流を見て、
それでも来ていなければ、さらに水源までたどってみる。
原因がなんとなく分かるようになってきました。
4年やって、ようやく少しだけ棚田の仕組みが身体に入ってきたのかもしれません。
ただ今日、水源まで歩いてみて改めて感じたこともあります。
僕たちは自分たちで米を作っているような気になっているけれど、
実際には川から水を分けてもらい、水路を通して田んぼへ運び、その水で稲が育っています。
雨が降りすぎれば土砂で水路が塞がるし、雨が降らなければ今度は水そのものが足りなくなる。
自分たちが全部をコントロールしているわけではありません。
自然の恩恵を少し分けてもらいながら、なんとか米を作らせてもらっている。
今日はそんなことを、土砂まみれの水路の前で改めて思いました。
水も、土も、天気も、どれか一つ欠けても米はできない。
そう思うと、「自分がやっている」という気負いが少しほどけて、なんだか気が楽になりました。
とはいえ、来週になれば、また奥田の水は減っている気もします。
そのときはそのときで、また水を見に行こうと思います。
