5月になると、
ポストに、あの薄緑色の封筒が届きます。
固定資産税、自動車税。
新緑が気持ちいい季節なのに、
会社員にとっては、少しだけ現実へ引き戻されるような時期でもあります。
今年も、自動車税の納税通知書が届きました。
みなさんは、もう支払いを済まされましたでしょうか。
我が家では、家計の管理をほぼ私が担当しています。
だからこの時期になると、
「時代は随分変わったものだな」と、毎年のように感じます。
少し前までは、平日に銀行やコンビニへ足を運び、窓口で用紙を出して支払うのが当たり前でした。
けれど今は、スマホでQRコードを読み取るだけで、自宅にいながら数分で納税が終わってしまいます。
しかも、「楽天ペイ」や「au PAY」の請求書払いを利用すれば、クレジットカード払いのようなシステム利用料もかかりません。
こうした“暮らしの小さな手間”が、静かに減っていく。
それだけのことなのに、日々の感覚は少しずつ変わっていくものなのだなと思います。
行政のデジタル化は、想像以上の速度で進んでいる
最近は、行政のデジタル化が一気に進んでいるように感じます。
マイナンバーカードと健康保険証の紐付けも、その象徴の一つなのでしょう。
先日、人間ドックへ行った時にも、その変化を肌で感じました。
事前にスマホへマイナンバーカードを登録しておいたおかげで、受付は驚くほどスムーズでした。
待合室では、同世代の方々が診察券や保険証を探しています。
そんな光景をぼんやり眺めながら、自分はスマホを一度かざしただけで受付が終わりました。
ほんの10秒ほどです。
財布を取り出す必要もありません。
カードそのものを持ち歩く必要もありません。
「もう時代は、静かに変わり始めているのかもしれない」
そんなことを、どこか不思議な感覚で考えていました。
便利さの裏で、少し怖くなったこと
ただ、便利になればなるほど、少し怖くなる感覚もあります。
それは、
「スマホを失った時、自分の生活はどこまで止まってしまうのだろう」
ということです。
財布を落とすより、今はスマホを失う方が怖いのかもしれません。
決済。
身分証。
連絡。
写真。
銀行。
仕事。
生活のほとんどが、あの小さな板の中へ集約されています。
便利になるほど、スマホを見る時間も自然と増えていきます。
財布も、保険証も、ポイントカードも、鍵も、すべてスマホに集約されていけば、肌身離さず持ち歩く存在になっていくのでしょう。
便利さと依存は、たぶん表裏一体なのだと思います。
だからこそ、“備え”も必要になる
とはいえ、デジタル化そのものを否定したいわけではありません。
むしろ、全体で見れば、その恩恵の方が圧倒的に大きいとも感じています。
だからこそ、便利さを使いこなすための“備え”も必要になります。
例えば、
- スマホの位置情報検索をオンにしておく
- PCやタブレットからも最低限ログインできる環境を整えておく
- パスワード管理を整理しておく
こうした小さな準備だけでも、安心感は随分変わります。
便利さを享受するには、同時に「止まった時」を想定しておく必要もあります。
それが、これからの時代のリスク管理なのかもしれません。
AIもデジタル化も、人間らしい時間を取り戻すためにある
個人的には、この流れの先に、
「スマホ投票」
のような仕組みも、いずれ当たり前になっていくのだろうと思っています。
行政手続きも、待ち時間も、紙のやり取りも、これからさらに減っていくはずです。
その時、人は何に時間を使うのでしょうか。
手続きや移動の時間を減らせるなら、
そのぶん、
土を触る時間や、
家族と食卓を囲む時間、
静かに考えごとをする時間に使いたいと思います。
AIもデジタル化も、
本来は、人間らしい時間を取り戻すためのものなのかもしれません。
便利さに飲み込まれるのではなく、
便利さを使いながら、暮らしの呼吸を少し整えていく。
そんなことを、
自動車税を払いながら、ぼんやり考えていた5月でした。
